武道の「心」を伝え育む -「礼法」再考- 2008年12月7日開催

シンポジウム趣旨

  武道は我が国固有の伝統文化です。武道の修錬によって心身を鍛練し、相手を尊重する稽古の積み重ねによって自立と他者への敬意を身につけるものとして、日本国内のみならず、海外でも多くの人々の間で実践されてきました。
  武道のスポーツ化が進行する今日、「礼に始まり、礼に終わる」をモットーとする武道の精神の重要性を再認識することが求められています。
  また、近年の教育改革の中では、児童・生徒への修養的教養の涵養が課題とされ、教育政策が歴史と伝統を重視する方向へ傾くなかで中学校教育においては武道が必修化されることとなり、武道の精神に基づいた礼法教育が期待されています。
  このような状況にかんがみて、本シンポジウムは武道の礼法に焦点を当てて企画しました。諸外国では武道教育の中で礼法はどのように理解され指導されているのか、第一級の武道研究者をお招きして紹介していただきます。その上で、海外の武道における礼法指導と本学の礼法教育とを比較検討し、国際的な観点から礼法の現代的意義を再確認し、武道の「心」を伝え育むことを目的とします。